桜開花が各地に広がる3月末、真田氏ゆかりの名胡桃(なぐるみ)城(群馬県みなかみ町)と沼田城(群馬県沼田市)を訪れる。上越新幹線で上毛高原駅下車、タクシーで名胡桃城址案内所前まで行く(歩くと3.8km50分くらいか)。名胡桃城は利根川右岸の段丘に立地、東は段丘崖、南北は谷になっている。現在は、国道17号線が西端を横断しているが、道路東側の主要郭部分は19922000年度にわたる発掘調査の成果に基づき、天正年間(15731592年)後半時期の姿に整備(土塁の一部復元、木橋設置、平面表示など)されている。
①三郭前の景観。三郭虎口前には丸馬出跡が検出されたが、埋め戻されて地面表示されている。三郭の土塁は復元されていない(二郭側以外には土塁跡が検出されている)。

②般若郭方向の景観。谷を隔てた北西側(画面左上)は、現在は駐車場となっている般若郭跡。

③三郭を北東方向へ進み、木橋を渡り二郭南虎口へ。虎口の左右で堀切と土塁の位置が前後する喰違虎口となっている。

④二郭を北東方向へ進み、二郭北虎口を土塁上の見学台から見おろす。枡形虎口となっている。南北の虎口が二郭を防御する構造となっている。

⑤二郭北虎口から木橋を渡り本郭へ。本郭の周囲には土塁跡が検出されている。

⑥本郭を東方向に進むと、堀切の向こう側が、ささ郭。ささ郭は通路の両側に土塁が残っており、先端部に搦手門跡が検出されている。

⑦ささ郭搦手門跡から南東(沼田)方向の眺望。真田昌幸が沼田城攻略の拠点として1579年頃に名胡桃城を築いたとされる。

三郭前まで戻り、沼田に向かうため、国道17号線経由でJR上越線後閑駅まで歩いて行く(2.7km35分くらい)。
⑧途中で撮影した城跡南崖。南は谷川(湯舟沢)に浸食された崖となっている。

[メモ]名胡桃城は、1589年に豊臣秀吉による北条氏と真田氏との領地裁定で真田領となったが、北条方が不法攻略したことにより、秀吉による北条氏攻略が始まったことで知られている。1590年の北条氏降伏後は廃城となったようで、現在は群馬県指定史跡となっている。現地の案内板による発掘内容の解説・復元想像図が充実しているので往時の姿が想像しやすい。