埼玉県の嵐山町(らんざんまち)にある杉山城は、土造りの城だが、極めて巧妙な防御構造(縄張)であることから、戦国期城郭の最高傑作の一つといわれている。城の機能した時期は、その高度な縄張構造からは16世紀後半(北条氏時期)と推測されていたが、発掘調査結果および古文書発見からは15世紀末から16世紀初頭(山内上杉氏時期)とされ、そのギャップは「杉山城問題」といわれた。現状、城内の樹木はほぼ伐採され、また、維持管理も丁寧にされており、土造りの城めぐりには絶好の城である。2018年1月2日、東武東上線の武蔵嵐山駅に11時31分下車、東口から北に向けて3km程度を歩いて城跡のある丘をめざす。12時頃、大手口前の出郭に到着。案内板とパンフレットボックスが設置されている。

①案内板前から大手口方向を撮影。


②大手口。左折する狭い通路から外郭に入る。


③外郭から馬出郭(画面左)を通って南三の郭(画面右)へ。往時は外郭・馬出郭間には木橋が架かっていたのかも。


④南三の郭に入って、馬出郭とそれに続く土橋を撮影。


⑤南三の郭から南二の郭へ進む。南二の郭南の食い違い虎口を撮影。


⑥南二の郭から本郭へ進むルートは現在、本郭東の横堀沿いの帯郭から本郭東虎口に至るルートである。そのルートを撮影(本郭側から撮影したのが⑧)。


⑦往時は、南二の郭から西の井戸郭へ進み、木橋(現在はない)で本郭南虎口へ進むルートであった。本郭から井戸郭を撮影。往時は、手前の堀に木橋が架けられていた。なお、井戸跡は井戸郭の西下にある。


⑧本郭の東側切岸、横堀を撮影。南二の郭、外郭が遠望できる絶景スポット。


⑨本郭から降りて、北二の郭へ。このあたりは樹木が茂っている。北二の郭の北虎口を内側から撮影。


このあと、北三の郭、搦め手口まで北上したのち、本郭へ引き返し、東二の郭・三の郭へ下る。

⑩東三の郭から東二の郭・本郭を見上げて撮影。


大手口方向へ戻り13時20分頃退城、武蔵嵐山駅まで歩き14時25分発の東武東上線で帰路についた。なお、続日本100名城スタンプは駅と杉山城の途中にある嵐山町役場玄関ホールに設置されている。