川越城は、明治維新後に建物・土塁(石垣は使用していない)・堀のほとんどが撤去され、城跡の景観はほぼゼロだが、本丸御殿の一部が残っていることから、たぶん日本100名城に選出されたものと思われる。川越には、JR川越線・西武新宿線・東武東上線の三線別に駅があるが、2018年2月18日(日)に降り立ったのは西武新宿線の本川越駅。蔵造りの町並側ではなく、東の仙波東照宮方向へ歩いて行く。

①20分程度歩くと仙波東照宮に到着。入口の随身門を撮影。この奥に、石鳥居、石段を登った小山の上に拝殿・本殿等がある。これらの建物は1640年に再建されたもので重要文化財に指定されている。日本三大東照宮の一つ。


②仙波東照宮の隣の喜多院へ。喜多院には、1638年寛永の川越大火後の復興の際、江戸城から移築した客殿(徳川家光誕生の間がある)・書院(春日局化粧の間がある)が残っている(重要文化財)。客殿を回廊から撮影(内部は撮影禁止)。杮葺(こけらぶき)の建物。


③喜多院から北に10分程度歩くと本丸西南隅の富士見櫓台に着く。富士見櫓台南西面を撮影。人工的に盛り土したものなのだろうか。周囲にはかつて堀が巡っていた。近年見つかった図面によると、富士見櫓は2階櫓で、周囲に土塀を巡らしていたらしい(外から見上げると3階に見えた)。


④次は本丸御殿。幕末の1848年に建てられたもので、残っているのは、玄関と玄関に続く広間部分、移築された家老詰所部分である。県指定文化財にとどまっているのは、明治維新後、県庁・煙草工場・武道場などに転用された後、1967年に修理・復元されたためだろうか。


⑤本丸御殿の北側に川越市立博物館があり、そこにある江戸時代の川越復元模型を撮影。中央が本丸部分。


⑥中ノ門堀跡。本丸の西側に奇跡的に残っていて、近年、整備されたもの。


城跡の痕跡は3カ所だけで物足りないが、喜多院や仙波東照宮を含めると江戸情緒も感じられるのでは。