今回も近隣の城歩き。2021121日(木)、八王子からJR横浜線に乗り小机駅から小机城へ。横浜市港北区にある小机城は、鶴見川南岸の丘陵上に15世紀半ば頃までに築かれたと考えられており、1478年には長尾景春の乱に伴う戦場の一つとして太田道灌の書状に登場する。その後、16世紀前半、北条氏の武蔵進出に伴い北条氏の支城として改造され地域支配の拠点となったが、1590年の豊臣秀吉の北条氏攻略後に廃城となった。現在は、小机城址市民の森として管理されている(埋蔵文化財包蔵地だが、史跡指定なし)。

①縄張図(城郷小机地区センターに展示)に今回の歩行ルートを表示。


なお、現地の表示板では西郭を本丸、東郭を二の丸としている。城郷小机地区センター2階に縄張図・推定復元ジオラマ・歴史説明などの小机城展示コーナーがある(続日本100名城スタンプ・パンフレットは1階)。駅から10分程度北西方向に歩くと城山南麓の根古屋に着く。山道を登ると直ぐに西郭南側堀の外側の土塁上へ達する。

②西郭南側堀の外側の土塁上の通路(帯郭)から西郭南側の馬出を撮影。


馬出を右折して土橋を渡り西郭へ。

③西郭南虎口側から土橋、馬出を撮影。


④西郭内部。周囲は土塁で囲まれている。ビニールシートは何のためだろうか?


⑤西郭東側から土橋で繋がるつなぎの郭を撮影。つなぎの郭は西郭・東郭間にある南北に細長い郭。


つなぎの郭を横切って東郭へ。

⑥東郭南西隅にある櫓台跡。城内の最高所。


東郭の北東隅から降りて東郭の周囲(北側→北西側)の堀底(遊歩道になっている)を廻る。

⑦東郭北西側堀底。画面左が東郭、右が外側の土塁。


⑧つなぎの郭北東隅下の堀底。このあたりが最も高低差がありそう。


ここから南(画面左)のつなぎの郭・東郭間の土橋に上り、更に南に下って南側の土塁上の通路(帯郭)を通り下山。

⑨帰りに城山東側全景(標高およそ40m、比高およそ30m)を撮影。


小机城滞在時間は約1時間、巨大な空堀遺構に圧倒される。江戸時代に制作された古城図でも他の城絵図とは異なり郭の切岸が巨大な方形で描かれているのも納得。

⑩日本古城絵図より(国立国会図書館デジタルコレクション)。外周の土塁(帯郭)は描かれていない。