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唐津城 2019.10.23 [佐賀県]

2019年10月23日、名護屋城からの帰り道、訪ねたのは唐津城。唐津城は、1966年、天守台跡に観光目的で建設された模擬天守(1608年の築城当時、天守の存在を示す資料はない)があり、歴史的評価はあまり芳しくはないが、昭和の天守閣築城から50年以上経過し唐津市のランドマークとして唐津市の景観重要建造物に指定、また、続日本100名城にも選定されている。近年は、二ノ丸・三ノ丸北側の「石垣の散歩道」の整備や本丸の石垣再築整備事業(崩落対策としてⅠ期:2009~2014年度、Ⅱ期:2015~2019年度)が行われており、歴史的景観を楽しむこともできる。なお、本丸のある満島山一帯は2019年3月に唐津市の史跡に指定された。

①市役所前の三ノ丸石垣・堀の遺構。手前の駐車場を含む一帯が市役所でその南側に石垣・堀の遺構が一部残っている。

唐津城001市役所周辺の三ノ丸堀.jpg

②二ノ門外堀。二ノ丸と三ノ丸を区切る堀で、三ノ丸から二ノ丸への入口は2箇所(二ノ門、北ノ門)のみだった。この近くに「時の太鼓」(からくり時計の鐘楼)が復元されている。

唐津城002二ノ丸堀.jpg

③二ノ丸北側石垣。本丸のある満島山(標高42m)へ約400m続く石垣の散歩道。

唐津城006二ノ丸北石垣.jpg

④二ノ丸北側石垣の続き。一段高くなっており、江戸時代には御殿が建っていたようだ。現在は、早稲田佐賀中学校・高校の校舎が建っている。

唐津城008二ノ丸北石垣.jpg

⑤海岸沿い石垣。満島山の北半分の海岸沿いに石垣が回っている。

唐津城025本丸下北海岸.jpg

⑥本丸中段への登城坂。歩いて登るのはこちら。別の場所に本丸上段への傾斜エレベーターが設置されている(100円)。

唐津城011本丸大手口.jpg

⑦本丸中段(二ノ曲輪)入口。このさらに上に天守台等が配置された曲輪:本丸上段がある。

唐津城013本丸二ノ曲輪虎口.jpg

⑧本丸上段の大手門跡。現在、本丸上段の東側は石垣再築整備工事中でこちらからは入れない。

唐津城015本丸上段大手門.jpg

⑨天守台。こちらがわ(本丸上段西側)の石垣再築整備は完成している。昭和の天守閣は16本のコンクリート基礎杭が支えており、石垣には建物の負荷はかかっていないとのこと。また、整備工事に伴う発掘調査では、古い石垣や金箔瓦の破片(名護屋城瓦のリサイクル?)が出土したとのこと。

唐津城016天守台南面.jpg

⑩天守閣から東側:虹ノ松原方向の眺望。手前は石垣再築整備工事現場。なお、天守閣の観覧料は500円(国や県の史跡ではないので財源が必要なのだろうか?)、2017年に耐震補強と展示内容等のリニューアルが行われた。

唐津城022天守閣より東方向.jpg

唐津城滞在は約2時間、唐津駅14時38分発のJR筑肥線で帰途についた。



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名護屋城 2019.10.23 [佐賀県]

名護屋城は、豊臣秀吉が文禄・慶長の役に際し出兵基地として1591~1592年に築いた城で、周辺には全国の諸大名の陣屋が130以上建てられ人口20万人を超える城下町が出現したとされる。1598年秀吉が没し朝鮮からの撤退後しばらくして廃城となったもようで、解体材の一部は唐津城普請に転用され、一国一城令(1615年)を受けて(特に島原の乱後)、石垣も崩された。現在は、23箇所の陣屋跡を含め国の特別史跡に指定され、発掘調査・環境整備が行われており、隣接して佐賀県立名護屋城博物館(1993年開館)がある。

名護屋城を訪れたのは2019年10月23日(水)のこと。宿泊地の唐津市内から、昭和バスの唐津バスセンター:大手口7時55分発→名護屋城博物館入口8時30分着(バス停からは丘の上にある博物館は見えない)。階段を上って丘に登ると名護屋城東出丸が見えてくる。大手口前の観光案内所と隣の博物館は9時開始なので、先に城内を訪ねる。

①三ノ丸南の大手口。大手道が東出丸へ続く。

名護屋城005大手口.jpg

②東出丸の虎口(入口)。ここを左折すると三ノ丸に入る。画面右手の櫓台石垣の隅部は崩されている。

名護屋城006東出丸虎口.jpg

③三ノ丸を横切って南西へ進むと馬場に出る。馬場側から三ノ丸南西櫓台石垣を撮影。巨石が使われている。

名護屋城066三の丸から馬場へ.jpg

④本丸大手門跡。三ノ丸に戻り本丸東側入口の大手門跡へ向かう。左折する枡形虎口である。大手門建物は伊達政宗が仙台城大手門(戦災で焼失)として移築したと伝わる。

名護屋城016本丸大手門.jpg

⑤本丸に入り、本丸南側・西側を通り(本丸拡幅に伴う旧石垣の表示、多聞櫓跡の表示などがある)、天守台跡へ。西側の多聞櫓跡から北西隅の天守台跡を撮影。石垣はほとんど剥ぎ落とされている。

名護屋城024天守台南.jpg

⑥山里口。本丸北門跡から出て水手口の坂道を下り、県道を東へしばらく歩くと山里口へ。山里口は、上山里丸(秀吉の御殿・茶室・月見櫓等のくつろぎの空間:現、広沢寺)の入口である。近年、私有地を買い取り、発掘調査し修復したもので、左折、右折・左折・右折して階段を上って行く複合枡形虎口となっている。ここでは石垣隅部が崩されておらず観察できる(算木積みは未完成のようだ)。

名護屋城038山里口.jpg

⑦県道を元に戻り、船手口から二ノ丸へ。二ノ丸西側内部の石塁とその上り階段(合坂)を撮影。

名護屋城047二の丸.jpg

⑧二ノ丸から本丸下の遊撃丸へ入り、遊撃丸から本丸天守台を撮影。

名護屋城048遊撃丸より天守台 (2).jpg

⑨二ノ丸から弾正丸へ進み、搦手口へ。弾正丸側から搦手口を撮影、典型的な枡形虎口である。石垣の隅部はきれいに崩されている。

名護屋城058弾正丸搦手口.jpg

⑩搦手口を出て、東方向へ進み、馬場の南側石垣を撮影。石垣がV字型に崩されている。

名護屋城059馬場南面.jpg

大手口に戻り、開いている観光案内所で協力金100円を払いガイドマップをもらう。このあと、博物館(入館料無料)に行く。常設展は「日本列島と朝鮮半島との交流史」、企画展示は「名護屋城と配陣図」、1階ロビーで名護屋城復元映像を上映している。なお、過去の企画展「肥前名護屋城図屏風」のパンフレットで二種類の屏風があることを初めて知った(下絵ぽいものは知っていたが、彩色されたものは知らなかった)。構図はほぼ同じだが、細部の相違点はかなりあり興味深い。

名護屋城滞在は約3時間。城内は雑草がほとんどなく(石垣の雑草も少ない)、ゴルフ場並に芝生が管理されているのはすごい。11時38分発の昭和バスで帰ろうとしたところ、乗り損なってタクシーで呼子へ。呼子発12時3分の昭和バスで唐津バスセンター:大手口へ向かう。次の目的地は唐津城。


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佐賀城 2019.10.22 [佐賀県]

佐賀城は、龍造寺氏の村中城を鍋島直茂・勝茂が拡張・整備したもので1611年に完成した平城である。近年、佐賀県立佐賀城本丸歴史館として本丸御殿を復元するなど整備されているのは、堀に囲まれたほぼ正方形の城跡全域のうち南東部分の本丸周辺部である。

佐賀城を訪れたのは2019年10月22日(火)、博多駅15時31分発JR特急みどりで佐賀駅16時16分着。市営バスで佐賀駅バスセンター16時23分発→サガテレビ前16時31分着、本丸通りを南に少し歩くと本丸北側の天守台と鯱の門が見えてくる。

①天守台と鯱の門。手前の芝生は本丸北西部分堀跡を芝生化して表示したもの。

佐賀城001天守台・鯱の門.jpg

②天守台へ上るのは後回しにして、本丸西側石垣に沿って南に歩いて行くと近年復元された本丸南西隅櫓台に達する。南堀を横切る本丸通りから本丸南西隅櫓台を撮影。白と黒の切石による亀甲乱積みとなっている。本丸南側(画面右側)は土塁が続いている。堀幅もかなり広い(約70mあるとのこと)。

佐賀城002南西隅櫓台 (2).jpg

③元に戻り天守台へ上る。天守台から入口階段のある天守台付櫓台を撮影。天守台への登り口は鯱の門の外側、つまり、本丸の外=二ノ丸側にある変則的構造である。天守建物は1726年に火災で焼失した。

佐賀城007天守台西取付台.jpg

④天守台から南方向の本丸内部を撮影。画面右は本丸西石垣の内側で土塁造りとなっている。建物は復元された本丸御殿。

佐賀城005天守台より南方向.jpg

⑤鯱の門及び続櫓(画面左側が続櫓)。1838年の本丸御殿再建時に造られた本丸入口で重要文化財に指定されている。

佐賀城013鯱の門.jpg

⑥鯱の門の本丸内側。画面右下に番所が付いている。

佐賀城014鯱の門内側.jpg

⑦2004年に復元された本丸御殿(佐賀城本丸歴史館)の玄関・式台。もとの本丸御殿は、幕末佐賀藩で先端的近代化を進めた10代藩主鍋島直正(なおまさ、号は閑叟かんそう)により1838年に再建されたもの。明治維新後は、藩庁、県庁、裁判所、学校として使用されたようだが、大正時代に玄関・式台等の部分は解体され部材は佐賀市内の龍泰寺本堂等として利用されたそうだ(現存)。御座間(ござのま:藩主の居室)部分は郷土館として残っていたが、1958年に大木公園に南水会館として移築された後、本丸御殿復元に伴い本来の位置へ再移築・復元されたそうだ。なお、佐賀城本丸歴史館の入館料は無料、幕末維新期の佐賀がメインテーマ。

佐賀城018本丸御殿玄関.jpg

佐賀城本丸跡は、ほぼ正方形で防御構造(縄張)面からはさほど面白くはないがコンパクトに纏まって整備されている。次の目的地:名護屋城に向かう必要からあまり散策できず佐賀城滞在は1時間で切り上げる。博物館前17時23分発→佐賀駅バスセンター17時38分着、佐賀駅17時48分発JR唐津線で唐津駅18時56分着、唐津で宿泊。

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